冷え性改善には漢方が効果的
冷え性と漢方
冷え性とは自覚していても、これを治すのはなかなか大変なものです。食生活を見直して動物性脂肪の少ない健康的な食事に変え、毎晩ゆったりとお風呂に入っても手足の冷たいのが改善できないという人は多いようです。
こんな場合には漢方薬に頼ってみるのもひとつのアイディアではないでしょうか。漢方薬は数千年、数百年の歳月をかけて培われてきた人類の知恵の集大成とでもいうべきもの。
冷え性の原因や治療法はそれぞれの体質によって異なるものですが、漢方では一人一人にぴったりの処方を選ぶことができますので、効果的に冷え性を改善していくことができます。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
漢方で冷え性に用いられる処方の中でも最もポピュラーなのが「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」です。この処方は漢の時代の文献に既に記されていますから、実に2000年間も使われてきた処方ということになります。
この薬に使用されているのは大棗(タイソウ)・桂皮(ケイヒ)・芍薬(シャクヤク)・当帰(トウキ)・木通(モクツウ)・甘草(カンゾウ)・呉茱萸(ゴシュユ)・細辛(サイシン)・生姜(ショウキョウ)の9種類の生薬です。
スパイスとしても使われる細辛と生姜が身体を温め、経皮(シナモン)と当帰が全身の血行を良くしてくれます。この処方では木通が体内の水ハケを良くしてくれますので、手足や腹部、顔が冷えてむくんでいるようなタイプの人には特におすすめです。
当帰芍薬散
痩せていて体力がない人なら「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などもおすすめです。当帰芍薬散に配合されているのは当帰(とうき)・川?(せんきゅう)・茯苓(ぶくりょう)・白朮(びゃくじゅつ)または蒼朮(そうじゅつ)・沢瀉(たくしゃ)・芍薬(しゃくやく)の6種類。
特に下半身がひどく冷えて生理不順の女性にぴったりの処方薬です。同じ生理不順で生理痛と冷え性がひどい女性でも、比較的体力がある場合には「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」がおすすめです。
また、精神的なストレスが強くて自律神経が乱れやすいために冷え性になっている人には「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」もいい処方です。
漢方薬の効能をインターネットで読んで注文する人は多いようですが、漢方には体質に合う合わないがありますので、やはり専門医に一度問診してもらうことが大切です。
健康保険が使える漢方クリニックも日本全国にありますので、ここで診断・処方をしてもらえばリーズナブルな料金で漢方薬を入手することができます。